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夏至へのカウントダウン、芒種を迎える日々の過ごし方。意味と時期についても解説

「芒種(ぼうしゅ)」は、四季をさらに6つに分けた二十四節気の一つで、夏至と小暑の中間に位置する季節の名前です。
日本の現代に暦においては、毎年6月6日から20日頃にかけて訪れます。
この時期は、梅雨入りが進み、気温と湿度が高くなることが特徴です。
農作業においては、水田に稲を植える時期として知られています。
一方で、人々の生活にもさまざまな影響を与えます。
この記事では、日本では古くから大切にされてきたこの節気「芒種」の過ごし方やその意味や時期について探っていきましょう。

芒種とは何か?意味と由来

「芒種」は「ぼうしゅ」と読みます。
芒種は、二十四節気のの一つで9番目にあたり、毎年6月上旬から中旬にかけて訪れます。
芒種は旧暦では4月末から5月上旬、新暦では6月上旬にあたり、夏至の前に位置し、梅雨の始まりと重なるため、湿度が高く温暖な気候が特徴です。

二十四節気において、「芒種」の前は「小満」、そして「芒種」の後は「夏至」となります。
小満は万物が次第に成長し始める時期、夏至は一年で最も昼が長い時期です。
「芒種」は夏の季語でもあります。

「芒種」の「芒(のぎ)」とは、イネ科植物の穂先の毛のことを指し、芒種は「穂が出る穀物、米や麦などの種をまく時期」を表しています。

「芒」は訓読みで「のぎ」と読み、漢字の禾(のぎ)偏と同じ意味です。

二十四節気について

二十四節気は古代中国で作られた季節の区分法で、黄道を基準に一年を24等分して季節の移り変わりを示します。
それぞれの節気の期間は約15日で、「芒種」はその一つです。
「芒種」は、芒種の始まりの日を指す場合もあれば、芒種の期間全体を指す場合もあります。

2024年の芒種はいつ?

2024年の「芒種」は6月5日から始まり、6月20日までの15日間続きます。
太陽の軌道が毎年微妙に異なるため、二十四節気の日付は固定されず、毎年国立天文台の暦計算室によって決定されます。
したがって、日付が1日程度前後することは珍しくありません。

芒種は縁起がいい

「芒種」に種をまいた植物はこれから成長していくため、この時期は新しいことを始めるのに縁起が良いとされています。
日本では古くから「稽古始め」は数え年で6歳の6月6日に行うとされ、この日に始めると上達しやすいと信じられてきました。
この習慣は室町時代の能楽者、世阿弥が著書『風姿花伝』で述べた「稽古を始めるのは数え年7歳が良い」という教えに由来します。

さらに、6月6日が「子が立つ」日とされるのは、指を折って数えると6で小指が立つことから来ていると言われています。

現代でも、6月6日は「楽器の日」「いけばなの日」「シニアピアノの日」など、多くのお稽古事の記念日とされています。

芒種の過ごし方

「芒種」の頃は梅雨の始まり、気温と湿度が上がり、各地で田植えや蛍狩り、紫陽花の鑑賞などが楽しめる時期です。

気象庁が正式に梅雨入りを発表しますが、農業のためには暦の「入梅」(6月11日頃)を梅雨の目安としています。

本州では梅雨入りの時期であり、蒸し暑い季節です。
熱中症対策には、こまめな水分補給が大切ですが、一気に飲むのではなく、少しずつこまめに水分を摂るようにしましょう。
体温調節には、常温や温かい飲み物が良いと感じる人もいます。
汗をかいたら、吸水性の良いタオルで汗を拭き取り、汗を吸い取り熱を放出する生地の肌着を着用することも大切です。
質の良い睡眠を得るためにも、パジャマの素材にもこだわってみてください。
そして、お風呂!暑い日でも、ぬるめのお湯に浸かることをおすすめします。
特に、冷房の影響を受けやすい方は、じっくり湯船に浸かって汗をかき、リフレッシュしましょう。

芒種の時期を楽しむ 芒種の行事

芒種の期間中には、稲作における「田植え」が行われます。
日本では、育てた苗代を田に移植する方法が一般的で、この苗代は寒さに弱いため、温暖な芒種の時期が適しています。
また、蛍が最も美しい時期でもあり、「蛍狩り」も盛んに行われます。

6月6日には「稽古始め」として、新しい習い事を始めると良いとされています。
これは、能を大成した世阿弥の書に由来し、江戸時代には歌舞伎のセリフとしても用いられるようになりました。

また、芒種の時期には父の日(6月の第3日曜日)もあるので、プレゼントの準備を忘れずに。
お中元の手配もこの時期に進めておくと安心です。

田植えと祭り

「芒種」の時期には、以前は全国各地で田植えが行われていました。
現在でも、田の神様に豊作を祈る祭りが各地で開催されています。
例えば、大阪の住吉大社で行われる「御田植神事」や、伊勢神宮の別宮である伊雑宮での「磯辺の御神田」、京都伏見稲荷大社の「御田舞」、下鴨神社の「御田植祭」などが有名です。

蛍狩り

この時期は蛍狩りのシーズンでもあります。『枕草子』にも描かれているように、蛍は夏の夜を彩る風物詩です。
「芒種」の時期に蛍が最も活発になり、水辺で舞う蛍の光を楽しむ「蛍狩り」が行われます。

芒種の時期を楽しむ 芒種に旬を迎える植物と食べ物

植物 紫陽花

芒種の時期に見頃を迎える植物には、(紫陽花)あじさいや桔梗があります。

紫陽花や梅雨に関する豆知識を知っておくと、雨の日も楽しくなります。
「移り気」の花言葉を持つ紫陽花は、梅雨を象徴する日本原産の花です。
『万葉集』でも詠まれ、江戸時代にシーボルトがヨーロッパに紹介したことでも知られています。
日本原産でありながら西洋で品種改良されたものも多く見られ、色とりどりの花を楽しむことができます。
現在では品種改良が進み、「アジサイアナベル」「アジサイダンスパーティ」「アジサイコンペイトウ」「アジサイてまりてまり」など多様な品種があり、様々な色や形で私たちの目を楽しませてくれます。
その多彩な色から「七変化」とも呼ばれます。

食べ物

暑くなると、自然と酸っぱいものが食べたくなります。
食欲がわかないときは、梅干しのおにぎりや梅そうめん、梅ジャムヨーグルトなどがおすすめです。
また、ブルーベリーやびわ、さくらんぼもこの時期に楽しめます。

この時期、旬の食材が豊富に出回るので、食事を通じて芒種の季節を満喫してみてください。

食べ物では、トマトや鯵(あじ)、鱚(きす)が旬を迎えます。
特にトマトは、夏のイメージがありますが、実は高温多湿のこの時期に収穫されたものが最も美味しいとされています。
サラダや和え物、ピクルスなどで楽しむと良いでしょう。

野菜

「芒種」の時期には、トマトが旬を迎えます。
高温・多湿に弱いトマトは、この時期に収穫されたものが特に美味とされています。
また、夏茗荷も旬です。丸みがあり、先が開きすぎていないものが新鮮で、皮にツヤがあり、鮮やかな色のものが良質です。
独特の辛みと爽やかな香りは、刺身や漬物、冷やした麺の薬味として最適です。
この時期にはラッキョウも出回り、料理や漬物にして楽しむことができます。
他にも、旬の野菜や果物にはいんげん豆や枝豆、おくら、きゅうり、ししとうがらし、大葉、つるむらさき、しょうが、あんず、びわなどがあります。

果物

芒種の頃に旬を迎える果物には、サクランボの佐藤錦があります。
サクランボは品種によって旬が異なりますが、日本で最も生産される佐藤錦は6月頃が旬で、その美しい赤い実は初夏の味覚です。
また、この時期は梅が黄色くなる季節であり、梅干し漬けの時期でもあります。

魚介類

「芒種」の時期には、キスやシマアジ、するめいかが旬を迎えます。
また、あゆやいわし、かじきまぐろ、かます、かわはぎ、かんぱち、きす、すずき、とびうお、イカ、くるまえびなどが旬の食材です。

まとめ

芒種は、夏至へと向かう季節の変わり目であり、農作業や生活のリズムが一層忙しくなる時期です。
この時期の特徴である高い湿度と気温の上昇に合わせた過ごし方が、心身の健康を保つためには重要です。

稲作をはじめとした農業活動が本格化する一方で、現代の私たちも自然のリズムに寄り添いながら、夏に向けての準備を進めていくことが大切です。

芒種の意味や時期を理解し、その時期に合った過ごし方を実践することで、自然と調和した豊かな生活を送ることができるでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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