こんにちは!大切なご家族の介護をされている皆さま、本当に毎日お疲れ様です。
介護用品の中でも、特に「大人のオムツ」選びは、本当に頭を悩ませますよね。「テープ式がいいのか、パンツ式がいいのか?」「今使っているもので漏れがちだけど、変えるべき?」「介護している自分がラクになるオムツはどれ?」
オムツは、ご本人にとっては肌に最も触れる衣類であり、介護者の方にとっては日々の介護負担を左右する重要なツールです。間違った選択は、漏れによるストレス、肌荒れ、そして何より介護する側・される側の双方の精神的な負担につながってしまいます。
大丈夫です、ご安心ください。
この記事では、介護の現場で何人もの方をケアしてきたプロの視点から、大人のオムツの「テープ式」と「パンツ式」の決定的な違いを、構造から価格、そして具体的な交換の裏技まで、徹底的に解説します。この記事を読み終える頃には、「うちにはこれだ!」という最適な選択肢が見つかり、明日からの介護がきっとラクに、そして笑顔に変わるはずです。
さあ、最適なオムツを選び、漏れやズレの悩みから解放される一歩を踏み出しましょう!
✅【決定版】大人のオムツ「テープ式vsパンツ式」機能と価格の決定的な違い
まずは、テープ式とパンツ式が、一体何が違うのか、その根本的な構造とコストの違いを整理しましょう。この基礎知識を持つことが、失敗しないオムツ選びの土台となります。
構造と吸収力の違い:テープ式が高吸収な理由
一見すると、どちらも排泄物を受け止める「紙オムツ」ですが、その設計思想と機能には、明確な違いがあります。
| 特徴 | テープ式オムツ(紙おむつ) | パンツ式オムツ(リハビリパンツ) |
| 構造 | テープでサイズ調整・固定する平らな形状。股下部分が細身。 | 下着のように履く立体的な筒状。ウエスト全体がゴム。 |
| 装着 | 仰向けの状態で装着・交換(全介助向け)。 | 立位または座位で装着・交換(自立/一部介助向け)。 |
| 吸収力 | 非常に高い(夜間・長時間向け)。 | 比較的高い(日中・活動時向け)。 |
| フィット感 | テープ位置で微調整可能。体に密着させやすい。 | ゴムで固定するため、体型に合わないとズレやすい。 |
この表の中で最も重要なのが**「吸収力」**です。
なぜテープ式の方が高吸収な設計になっているかというと、テープ式は**「長時間寝たまま、大量の排泄を確実に受け止める」**ことを第一に設計されているからです。体にぴったりと密着させることができ、ギャザーをしっかり立ち上げて、横漏れを防ぐ構造が徹底されています。そのため、吸収体が厚く、その分、一度に大量の尿を吸収し、逆戻りさせない性能に優れています。
一方、パンツ式は**「自分で脱ぎ履きしやすい下着に近い形」を重視しています。動きやすさを確保するために、テープ式ほど吸収体を分厚くしたり、厳重なギャザー構造にしたりすることが難しく、必然的に吸収量はテープ式に一歩譲ることが多いのです。これが、「夜間にパンツ式だと漏れやすい」**と感じる最大の理由です。
介護負担は?交換にかかる時間と手間のリアル比較
オムツ選びは、ご本人の快適さだけでなく、介護者であるあなたの時間と労力に直結します。「交換が楽なのはどっち?」という問いへの答えは、ご本人の身体の状態によって大きく変わります。
1. 介護負担が少ないのは「テープ式」(寝たきり・全介助の場合)
ご本人が寝たきりや全介助で、交換時に立ち上がることが困難な場合、テープ式の方が介護負担は圧倒的に少なくなります。
- メリット: ご本人を大きく動かすことなく、仰向けのまま交換が完結します。介護者が行うのは、体を横に向け、古いオムツを抜き、新しいオムツを滑り込ませてテープを留める作業だけです。
- デメリット: 交換時、どうしてもご本人の体に手が触れる時間が長くなるため、手際よく行うスキルが求められます。
2. 介護負担が少ないのは「パンツ式」(自立・一部介助の場合)
ご本人がトイレやベッドサイドで自力で立ち上がれる、あるいは座れる場合は、パンツ式の方が介護負担は少なくなります。
- メリット: 下着のように履き替えるだけで済むため、介護者がサポートするのは「履き口の補助」や「ズボンを下ろす補助」程度です。汚れた場合も、サイドを破って脱がせられるため、寝たきりの方へのテープ式交換よりもシンプルです。
- デメリット: 汚れていない状態でも、立ったり座ったりする動作が必要なため、ご本人の体力が消耗します。
重要なのは、**「ご本人の現在の身体能力を最大限に活かせる方」**を選ぶことで、介護負担を減らすという視点を持つことです。
単価とランニングコスト!どちらが財布に優しいか
オムツは毎日、何枚も消費する消耗品です。長期的に見たコストの違いも無視できません。
一般的に、オムツ単体で比較すると、パンツ式の方がテープ式よりも単価が高い傾向にあります。これは、パンツ式が下着としての機能を持ち、ウエストゴムや立体構造など、製造コストがかかるためです。
しかし、コストを考える上で、オムツ本体の単価だけを見てはいけません。**「パッドとの組み合わせ」**が重要になります。
| オムツタイプ | 運用方法 | コスト傾向 | 理由 |
| テープ式 | ほぼ100%パッド併用 | 最もコスト効率が良い | テープ式は本体交換頻度が低く、安価なパッドで排泄物を処理するため。 |
| パンツ式 | 80%パッド併用 | テープ式の次に良い | パンツ式本体の単価が高めだが、パッド交換で本体寿命が延びるため。 |
| パンツ式 | 本体のみ使用 | 最もコストがかかる | 本体が汚れる度に高単価なパンツ式オムツを交換する必要があるため。 |
結論として、テープ式オムツとパッドの組み合わせが、最もランニングコストを抑えられる運用方法となります。なぜなら、テープ式本体は排泄物が触れる頻度が極めて低く、長時間使用できるからです。コストを抑えたい場合は、この組み合わせを強くおすすめします。
✅もう迷わない!身体の状態別「最適な大人のオムツ」診断チャート
ここからは、あなたの家族の**「今の状態」**に合わせて、どちらのオムツが最適かを具体的に診断していきましょう。オムツは、ご本人の生活の質(QOL)を左右する大切な「道具」です。
全介助・寝たきりの方には「テープ式」が必須な理由
ご自身で体位を変えるのが難しく、常にベッド上で過ごされている方(全介助)の場合、テープ式オムツは単なる選択肢ではなく、必須アイテムとなります。
1. 漏れを防ぐ「密着性」が桁違い
寝たきりの方は、排泄が横向きや仰向けの体勢で起こります。この体勢では、隙間ができやすく、漏れが非常に発生しやすいのです。
テープ式は、テープを引っ張って留めることで、お尻周りや股下にオムツを隙間なく密着させることができます。この高い密着性こそが、夜間の大量の排泄物による横漏れや背中漏れを最小限に抑える最大の武器です。パンツ式では、この隙間を埋めることはできません。
2. 肌への刺激を最小限に抑える
介護ベッドの上で、ご本人を立ち上がらせたり座らせたりすることは、身体への負担が大きすぎます。テープ式なら、体を**「横に向ける」**だけで交換が完了するため、ご本人の苦痛や疲労が最小限で済みます。また、排泄で汚れたオムツを抜き取る際も、肌を擦らずに引き抜けるため、オムツかぶれや褥瘡(じょくそう・床ずれ)のリスクを減らすことができます。
一部介助・リハビリ中の方に「パンツ式」をおすすめする境界線
「自力で立ち上がってトイレやポータブルトイレへ移動できる」方、または「歩行器や手すりを使って少しの介助で歩ける」方(一部介助・リハビリ中)は、パンツ式オムツへの切り替えを検討する絶好のタイミングです。
1. 自立排泄への第一歩「自己効力感」
パンツ式の最大のメリットは、ご本人が**「自分で脱ぎ履きできる」**という感覚を取り戻せることです。
オムツに頼りきりの生活から、**「自分はまだ下着に近いものが使える」**という意識は、**リハビリへの意欲や精神的な自立心(自己効力感)**を大きく向上させます。この精神的なプラス効果は、機能的なメリット以上に価値があると言えます。
2. 交換の容易さと「介護離れ」の可能性
パンツ式は、排泄がない限り、普通の着替えと同じ感覚で交換できるため、介護者の方も**「オムツ交換」という重労働から解放されやすい側面があります。ご本人がトイレまで行き、自身でパンツを下ろし、排泄後に履き直す(パット交換のみ)ことができれば、介護者の負担は大幅に軽減されます。「介助から見守りへ」**という介護スタイルの移行を可能にするのが、パンツ式オムツなのです。
「日中パンツ・夜間テープ」ハイブリッド利用の成功事例
どちらか一方を選ぶ必要はありません。最も賢明な選択は、それぞれの長所を最大限に活かす「ハイブリッド」運用です。
成功事例:活動と睡眠で役割分担
- 日中(活動時):パンツ式オムツを使用。リハビリやレクリエーション、食事などで体を動かす機会が多い時間帯です。ご本人がトイレに行きたいという意思を示しやすいように、脱ぎ履きしやすいパンツ式で自立を促します。
- 夜間(睡眠時):テープ式オムツに切り替え。寝ている間は無意識に排泄があり、交換頻度も減るため、高吸収・高密着なテープ式で徹底的に漏れを防ぎ、ご本人と介護者の方の睡眠の質を守ります。
このハイブリッド運用は、**「活動時は自立を促し、睡眠時は確実に漏れを防ぐ」**という、QOLと介護負担軽減を両立させる、まさに一石二鳥の戦略です。この切り替えを面倒に感じるかもしれませんが、夜間の交換回数やシーツ交換の手間が減ることを考えれば、十分にその価値があります。
✅介護のプロが実践!漏れとズレを防ぐ「魔法の交換・装着テクニック」
最適なオムツを選んでも、装着方法が間違っていれば、漏れやズレはすぐに発生してしまいます。ここでは、介護の現場で培われた、オムツの性能を120%引き出すためのプロのテクニックをご紹介します。
テープ式で失敗しない!正しいギャザーの立ち上げ方とテープ位置
テープ式オムツの命は「密着」と「ギャザー」です。この2点をマスターしましょう。
1. 「バナナの形」を作って装着する
新しいテープ式オムツを広げたとき、そのまま装着しようとすると、オムツが平らなため股下部分がたるみ、漏れの原因になります。
- テクニック: 装着する前に、オムツを縦に持ち、**股下の部分を中央に向けてU字型に(バナナのように)**軽く折り込んでクセをつけます。このクセ付けにより、オムツがご本人の股下に自然にフィットし、装着後の漏れやズレが格段に減ります。
2. 「斜め上」で留めるテープの黄金比
テープを留める位置は、オムツのフィット感と漏れ防止に直結します。
- 下のテープ: 股の付け根に密着させるため、やや上向きに引っ張り、水平に留めます。
- 上のテープ: ウエストを締めるため、斜め下向きに引っ張り、少し強めに留めます。
この「斜め上(下)」と「水平」のクロス留めをすることで、オムツが体幹に沿って立体的にフィットし、排泄物が溜まる股下部分にしっかり密着するのです。装着後、お腹とオムツの間に手のひらがスッと入る程度のゆとりがあれば完璧です。
力いらずでスムーズ!パンツ型オムツを楽に履かせる2ステップ
パンツ式オムツは自立を促すものですが、足腰が弱っている方には履かせるときに大きな負担がかかります。
1. 「三つ折り」にして滑り込ませる
パンツ式オムツのウエストゴムは、履くときに肌を擦りやすい原因になります。
- テクニック: オムツを履かせる前に、ウエストのゴム部分を外側に2〜3回折り返しておきましょう。こうすることで、ゴムが肌に直接触れにくくなり、足からスムーズに滑り込ませることができます。股下まで引き上げたら、折り返したゴムを元に戻して整えればOKです。
2. 立ち上がりが不安なら「座らせて」履かせる
転倒リスクが高い方に対して、無理に立たせて履かせる必要はありません。
- テクニック: 椅子やベッドサイドに座った状態(座位)で、片足ずつオムツを通し、お尻の下まで引き上げてから、手すりなどにつかまってもらい、瞬間的に立ち上がってもらいつつ一気にウエストまで引き上げる、という方法を試みましょう。座位なら安定しますし、立ち上がる時間は短時間で済むため、ご本人の負担が大幅に軽減されます。
介護される側が「気持ちいい」と感じる肌への負担ゼロの交換法
オムツ交換は、時にご本人にとって不快で羞恥心を伴う行為です。少しの気遣いで、交換を「気持ちいい」時間に変えることができます。
- 「温かい手」と「優しい声」: 交換前に、介護者であるあなたの手を温めておきましょう。冷たい手で触れられるのは、ご本人にとって大きなストレスです。また、「今から体を横にしますね」「ちょっと失礼しますね」と必ず声をかけてから触れることで、不安を和らげることができます。
- 清拭のテクニック: 清潔なタオルやウェットシートで肌を清拭する際は、**「擦る」のではなく「押さえる」**ように汚れを拭き取りましょう。特にオムツかぶれがある場合は、摩擦は最大の敵です。清拭後に、肌が空気に触れる時間を数分間設ける(エアドライ)のも、気持ちいいと感じるリフレッシュになりますよ。
✅快適性が劇的にアップ!パッド併用で考える「最強の組み合わせ」
オムツ本体の機能がいくら優れていても、排泄物を直接受け止めるのは**「パッド(尿取りパッド)」**です。パッドをいかに賢く使うかが、快適性とコスト効率を左右します。
パンツ式に最適!ズレない工夫がされたパッドの選び方
パンツ式オムツの最大の課題は、パッドがズレやすいことです。動くことが多いパンツ式には、専用のパッドを選びましょう。
1. 「固定機能付きパッド」を迷わず選ぶ
最近のパッドには、裏面にノンスリップ加工や粘着テープが付いているものが増えています。
- 粘着テープ付きパッド: パンツの内側にしっかりと貼り付けることができるため、動いてもパッドがヨレたりズレたりしにくく、排泄物を確実にキャッチしてくれます。パンツ本体の排泄物による汚れを防ぎ、パンツの寿命を延ばす効果も絶大です。
2. 「股間ぴったり設計」で横モレを防ぐ
パンツ式のパッドは、テープ式と異なり、股間部にフィットするように立体的に設計されたものを選ぶと良いでしょう。
- メリット: 股間にぴったり収まることで、パッドが丸まりにくく、股下から尿が漏れ出るのを防ぎます。吸収量よりも、**「フィット感とズレにくさ」**を優先することが、パンツ式運用成功の鍵となります。
テープ式の吸収力を最大化する「重ね方」と「選び分け」の鉄則
テープ式は、元々吸収力が高いため、パッドを併用することでその性能をさらに引き上げることができます。
1. 「2枚重ね」で夜間の安心感を極める
長時間の睡眠時や、交換が難しい外出時など、特に漏れを防ぎたいシチュエーションでは、パッドの2枚重ねが非常に有効です。
- 重ね方の鉄則: まず、体格に合った大きなサイズのパッド(これがベース)をテープ式オムツの中央にセットします。次に、その上に一回り小さな、特に吸収速度の速いパッド(これがアタック部隊)を、排泄口に近い部分に重ねて置きます。
- 効果: 1枚目のパッドで初期の排泄を即座に吸収し、溢れた分や横に流れた分を2枚目の大きなパッドで受け止めるという、「二段構え」の防御体制が完成します。
2. テープ式には「フラットタイプ」のパッドが優秀
テープ式オムツ自体が立体的なギャザー構造を持っているため、パッドはあえてシンプルでフラット(平ら)な形状のものを選ぶ方が、テープ式オムツ本体のギャザー機能を妨げません。
パッド選びは、**「本体の性能を邪魔せず、吸収をアシストするもの」**という視点で選ぶと失敗が少ないでしょう。
パッド交換のみで済ませるためのコスト効率と肌への配慮
パッドの活用は、単に吸収力を上げるだけでなく、コスト削減と肌トラブル予防にも大きく貢献します。
1. 「1本体:パッド5枚」を目指す
オムツ本体のランニングコストを下げる秘訣は、オムツ本体(テープ式・パンツ式問わず)1枚に対して、パッドを何枚交換できるか、という交換比率を上げることです。
理想的には、「オムツ本体1枚を一日使い、その間にパッドを4〜5回交換する」という運用です。パッドは本体よりも遥かに安価です。パッド交換で排泄物を全てキャッチできれば、高価な本体の交換頻度が劇的に減り、結果的に経済的になります。
2. 肌への優しさは「パッドのサラサラ感」で決まる
パッド交換のみで済ませる運用は、肌に常に清潔な面が当たるため、オムツかぶれの予防にも有効です。
- チェックポイント: パッドのパッケージに**「逆戻り防止」「ドライタッチ」**といった表記があるか確認しましょう。吸収した尿がパッド表面に逆戻りしない設計のパッドを選ぶことで、肌が湿った状態になるのを避け、ムレや肌荒れのリスクを大幅に下げることができます。
✅読者の声から学ぶ!テープ式・パンツ式を切り替える3つのタイミング
オムツを「切り替える」というのは、大きな決断です。しかし、使い始めた時とご本人の状態は常に変わっています。ここでは、多くの介護者が「切り替えてよかった」と感じたタイミングをご紹介します。
「漏れが頻発した時」に見直すべきオムツ以外の盲点
漏れが発生したとき、ついオムツの「吸収量」や「サイズ」を疑いがちですが、実はオムツ以外の盲点があります。
1. 「パットの位置」のズレが原因かもしれない
特に女性の場合、排泄口とパッドの位置が合わず、お尻の方に流れてしまうことがあります。男性の場合は、陰部の向きとパッドの向きが合わず、ギャザーの外に出てしまうことがあります。
- 見直しポイント: 漏れの原因がパッドの位置のズレであれば、吸収力の高いテープ式に本体を切り替え、パッドの位置を正確に固定し直すことで、漏れは簡単に解消します。**「オムツ本体の性能」ではなく、「装着方法やパッドの位置」**をまず疑うことが、賢明な判断です。
2. 「夜間の姿勢」が漏れの原因かもしれない
横向き寝が多い方の場合は、背中や横腹から漏れやすいという問題があります。
- 見直しポイント: 漏れが特定方向で集中している場合は、漏れが発生する側のギャザーを通常よりも強く立てる、または、夜間は密着性の高いテープ式に切り替えることで、横漏れ対策を強化する必要があります。
リハビリが進み「自立排泄」を促すための切り替え術
リハビリが進み、ご本人がトイレへ行きたいという意欲を見せ始めたら、それはパンツ式へ切り替える絶好のチャンスです。
1. 「部分介助」への移行を促す
リハビリパンツへの切り替えは、**「あなたはまだ自分でできる」**というポジティブなメッセージをご本人に伝えることになります。
- 切り替えのステップ:
- まず、パッド交換のみを自分でやってもらう練習から始めます。
- 次に、トイレまで移動し、パンツを自分で下ろす練習をサポートしながら行います。
- 最終的に、排泄後はパンツを自分で上げ、手を洗うという一連の動作を、介護者が「見守る」体制に移行します。
この切り替えの成功は、ご本人の自信を深め、さらなるリハビリのモチベーションにつながります。
介護者がつらいと感じた時の「負担軽減」のための選択肢
介護は長期戦です。「疲れた」「もうつらい」と感じ始めたら、それはオムツのタイプや運用方法を見直す、重要なサインです。
- サイン1:「夜中に何度も起こされる」→テープ式(高吸収タイプ)+2枚重ねパッドへの切り替えを検討。夜間交換の回数を物理的に減らすことで、介護者の睡眠時間を確保し、疲労回復を最優先しましょう。
- サイン2:「交換時に腰を痛めた」→パンツ式+超高吸収パッドへの切り替えを検討。立位での交換にすることで、介護者が体を大きくひねったり、持ち上げたりする動作を減らし、腰への負担を軽減します。
ご自身の健康あってこその介護です。**「介護者がラクになること」は、決して手抜きではありません。**最も効率的で負担の少ない方法を選択することは、プロの介護者が実践する賢明な判断なのです。
まとめ:
この記事では、大人のオムツ「テープ式」と「パンツ式」の機能的な違いから、介護負担の軽減、そしてコスト効率まで、多角的に解説してきました。
テープ式は、その高吸収性と密着性から、夜間や全介助の方の**「漏れを防ぎ、睡眠と肌を守る」**最強の防御壁です。一方、パンツ式は、自立排泄とリハビリを促し、介護者の負担を「見守り」へと軽減する、活動的な生活のサポーターです。
重要なのは、**「どちらが優れているか」ではなく、「今の身体の状態、そして目指したい生活にどちらが適しているか」**という視点です。
もし今、オムツ選びに迷いや不安があるなら、ぜひこの記事を参考に、ご本人と介護者の双方が笑顔になれる、最適なオムツの組み合わせを見つけてください。漏れやズレが解消されれば、介護はもっと快適に、そして日々の生活にもっとゆとりが生まれるはずです。
正しい知識と適切な選択で、今日から快適な排泄ケアを実現しましょう!
