神戸は、海と共に息づく魅力的な都市です。
この街には、日本初の水族館や湾港遊覧船が誕生したという、知られざる歴史が息づいています。
美しい港町として知られる神戸は、ただの観光地ではなく、海にまつわる数々の文化や技術が育まれてきた場所でもあります。
水族館は、海の生き物たちの不思議を私たちに教えてくれる窓口であり、湾港遊覧船は、神戸の美しい海を楽しむための特別な体験を提供してくれます。
これらは、神戸の魅力をさらに引き立てる要素として、今でも多くの人々に愛されています。
この記事では、神戸がどのようにして日本初の水族館と湾港遊覧船の発祥地となったのか、その歴史と背景を探っていきます。
神戸と水族館の歴史
日本初の水族館の誕生
神戸は、海と深い関係を持つ魅力的な都市として知られています。
そのため、日本で初めての水族館がこの地に誕生しました。
1895年、京都で開催された「第四回内国勧業博覧会」に神戸市が協賛し、和田岬にあった遊園地「和楽園」に「和田岬水族放養場」が設立されたのです。
当初は水槽に魚を放つ程度の簡易な施設でしたが、博覧会の終了後もこの水族放養場は存続しました。
その背景には、特別な目的があったのです。
和田岬水族館の進化
2年後の1897年、神戸で開催された第二回大日本水産博覧会では、「和田岬水族放養場」がさらに充実し、本格的な水族館として新たにオープンしました。
この水族館は木造のインド風洋館で、最終的には「和田岬水族館」と名付けられました。
これが日本初の水族館とされています。
和田岬の歴史的背景
名勝地としての和田岬
和田岬は、名勝地としても有名で、南北朝時代には湊川の戦いの舞台となりました。
ここでは新田義貞の配下が陣を敷き、江戸時代末には勝海舟が和田岬砲台を築いたことでも知られています。
このように、和田岬は歴史的にも重要な場所です。
神戸の水族館の発展
湊川神社への移設
その後、和田岬水族館は博覧会終了後に湊川神社の境内に移設され、「楠公さんの水族館」として1902年から1910年までの約8年間、地元の人々に親しまれました。
この当時、湊川神社に水族館を設けるという発想は非常にユニークなものでした。神戸の水族館の発展
湊川水族館と須磨水族館
1930年には神戸海港博覧会が開催され、これを契機に神戸市水産会が湊川公園に「湊川水族館」を開設しました。
この水族館は1943年まで営業を続けました。
そして、1957年には「須磨水族館」が開館し、1987年には「須磨海浜水族園」として生まれ変わりました。
「水族館」ではなく「水族園」となったのは、海浜公園内に位置しているからです。
再オープンの予定
ちなみに、「須磨海浜水族園」は2023年5月31日に閉園し、翌年6月1日には新たな水族館「神戸須磨シーワールド」として再オープンしました。
神戸須磨シーワールドには、西日本で唯一、シャチを観察できるエリアや、イルカの暮らしを間近で体験できる「ドルフィンビーチ」、瀬戸内海の自然を再現した展示など、見逃せないポイントがたくさんあります。
日本初の港内遊覧船(観光用の湾港クルーズ)
さらに、神戸は観光用の湾港クルーズの発祥地でもあります。
1950年に連合国軍総司令部(GHQ)の監視のもとで行われた神戸港の遊覧は、日本初の港内遊覧船の運航として記録されています。
このように、神戸は水に関するさまざまな歴史を持つ場所なのです。海洋気象台の設立
日本初の海洋気象台
また、神戸は日本で初めて海洋気象台が設置された都市でもあります。
この海洋気象台は、公的機関でありながら民間からの資金調達によって成立しました。
兵庫県知事が海洋気象台の設立に向けて民間業者に出資を求めた結果、神戸の海運業者が資金を寄付し、1920年に開設されたのです。
その後、神戸海洋気象台は2013年に神戸地方気象台へと改組され、海洋気象業務や船舶への海上警報の業務は大阪管区気象台などに移管されました。
これにより、日本最古の海洋気象台は93年間の歴史に幕を閉じました。
まとめ
神戸は、日本初の水族館と湾港遊覧船が誕生した特別な都市です。
神戸は、水とともに歩んできた歴史を持つ都市であり、その歴史は深く海と結びついています。
1895年に設立された「和田岬水族放養場」は、神戸の海洋文化の礎となり、その後の水族館の発展へとつながりました。
また、湊川神社に移設された水族館や、須磨水族館の誕生は、地域の人々に愛される文化的な拠点としての役割を果たしました。
さらに、神戸は港内遊覧船の発祥地として、観光業の発展にも寄与してきました。
海の魅力を体感できるこれらの施設は、神戸を訪れる人々にとって、特別な思い出を作る大切な場所となっています。
神戸の海にまつわる歴史や文化を知ることで、訪れる際の楽しみがさらに広がります。
美しい港町神戸の魅力をぜひ体験してみてください。
海とともに歩んできたこの街のストーリーは、あなたの心にも深く響くことでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。