伊丹市に、まるで日本列島が浮かんでいるかのように見える不思議な池があることをご存じでしょうか?
その名も「昆陽池(こやいけ)公園」。
ただの自然公園かと思いきや、歴史深い背景と驚きの人工島、さらには渡り鳥の楽園として知られる、隠れた魅力が詰まったスポットなんです。
この記事では、そのユニークな歴史や自然豊かな昆陽池公園の魅力をたっぷりとご紹介します!
伊丹市の魅力、昆陽池公園とその秘密
兵庫県伊丹市にある「昆陽池公園(こやいけこうえん)」は、市内でも人気の高い自然豊かなスポットです。
この公園の中心に位置する昆陽池は、奈良時代の731年、名僧・行基(ぎょうき)の指導のもと、10年もの歳月をかけて造られたと伝えられています。
当時の目的は、農業用水を確保するためのため池として、また河川の氾濫を防ぐためでもありました。
その後、1965年に伊丹市が公園として整備を進め、東京ドーム6個分に相当する約28万平方メートルの広大な敷地を持つ自然公園が誕生しました。
それ以来、昆陽池公園は市民の憩いの場として親しまれています。
ため池百選にも選ばれた昆陽池のユニークな特徴
昆陽池は、農林水産省が選定した「ため池百選」にも名前を連ねるほどの歴史と価値を持っていますが、もっと興味深いのはその池に浮かぶ「日本列島」です。
池の中央には、日本列島を模した小さな島があり、上空から見るとまるで本物の日本列島がそのまま池に浮かんでいるかのように見えるのです。
しかし、この「日本列島」、自然が作り出したものではなく、実は人工的に作られたものなのです。
これは、大阪国際空港(伊丹空港)から離陸した飛行機の窓から楽しめるようにと、当時の公園整備担当者が考案したアイデアであり、「伊丹市のシンボルを作りたい」という思いも込められていました。
渡り鳥の楽園—秋冬の昆陽池
秋から冬にかけて、昆陽池は関西でも有数の渡り鳥の飛来地となります。
毎年約5000羽以上もの水鳥がこの池に集まり、自然の豊かさを感じさせてくれます。
特に、池の中に浮かぶ「日本列島」の島は「野鳥の島」と呼ばれており、鳥たちが羽を休めたり、巣を作ったりする場所として大切にされています。
この島自体は一般の来園者が上陸することはできませんが、池の周囲からバードウォッチングを楽しむことができ、自然とのふれあいを満喫することができます。
時を超えて残る日本列島
昆陽池の「日本列島」は、建造当初は波で岸が削られ、その形が崩れるのではないかと心配されていました。
しかし、池の水位管理や、栗石(くりいし)と粘土を使った護岸工事が施されたおかげで、50年以上経った今でも当時と変わらない姿を保っています。
これも、公園の維持管理に尽力してきた人々のおかげですね。
話題の「マー君の木」と伊丹市
近年、この昆陽池公園にはもう一つ注目を集めるスポットが誕生しています。
それは、「マー君の木」と呼ばれる2本の樹木、ヤマボウシとシマトネリコです。
この木々は、1999年、当時伊丹市立昆陽里小学校の5年生だった田中将大投手(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)が、自身の名前と学校名を記した板を取り付けたことで話題になりました。
今ではその板は伊丹市立図書館と公園内にある昆虫館で展示され、訪れる人々に田中投手の故郷とのつながりを感じさせています。
田中投手は、2013年と2021年の二度にわたり伊丹市民栄誉賞を受賞した伊丹市の誇る人物です。
彼が故郷に帰ってくる際には、昆陽池に浮かぶ小さな日本列島を見て、故郷の温かさを感じてくれているのではないでしょうか。
昆陽池公園での楽しみ方
昆陽池公園は、季節を問わず多くの自然とふれあえる場所として、訪れる人々を癒してくれます。
春には桜が咲き誇り、夏には緑が鮮やかに広がります。
また、昆陽池のほとりでは、ゆっくりと散策を楽しむことができるほか、バードウォッチングを通じて四季折々の野鳥たちとの出会いを楽しむことができます。
さらに、園内には昆虫館もあり、子供たちが昆虫について学べる貴重な場所として人気です。
家族でのピクニックや散歩にもぴったりのスポットなので、ぜひ訪れてみてください。
基本情報とアクセス
基本情報
住 所 〒664-0015 伊丹市昆陽池3丁目
営業時間 常時(ただし、ふるさと小径(散策路)は午前9時~午後5時)
休園日 なし
入場料 無料
設 備 みやげものなどの売店1ヵ所、トイレ3ヵ所(うち車いす対応3ヵ所)
アクセス
市バス
JR伊丹・阪急伊丹両駅前4番のりばから「松ヶ丘」経由「西野武庫川センター前」行きで「松ヶ丘」下車、もしくは、「裁判所前」経由「西野武庫川センター前」行きで「昆陽池公園前」下車すぐ
駐車場
台 数 151台(高さ制限全高2.1m。うち3台は身体障がい者用スペース)
時 間 午前9時~午後5時(入庫は午後4時30分まで)
料 金 1時間まで200円。以降30分毎に100円加算
(ただし、30分未満の場合は30分とします)
問い合わせ
伊丹市都市交通部みどり公園室公園課 TEL 072-784-8134 FAX 072-780-3531
まとめ
伊丹市の昆陽池公園は、歴史的な背景を持つため池と、日本列島そっくりの人工島が特徴の自然豊かな公園です。
季節ごとに訪れる渡り鳥や、田中将大選手ゆかりの「マー君の木」など、見どころも盛りだくさん。
散策やバードウォッチングを楽しみながら、地元の歴史に触れることができる素晴らしいスポットです。
ぜひ、訪れてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。