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「播磨灘」の境界線はどこ?地図にない瀬戸内海のエリアを解説!

「地図では見えない『播磨灘』の境界とは?――実際、どこからどこまでを指しているのでしょうか?

瀬戸内海に位置し、海も空も穏やかで美しい播磨灘。しかし、その範囲は意外にわかりにくいと感じたことはありませんか?瀬戸内海の各エリアは、海上保安庁の地図にも描かれていない曖昧な境界線で分けられています。播磨灘を囲むのはどの地域なのか、またこのエリアが「灘」として特別な意味を持つ理由とは?

この記事では、播磨灘の範囲を決める背景や、歴史とつながりを紐解きながら、播磨灘の位置や魅力に迫ります。地図だけではわからない、播磨灘の実際の広がりや特徴を探ってみましょう。」

領海法で決められた瀬戸内海の区域について

瀬戸内海は、日本の風景が美しい地域として知られ、多くの観光地や地域の文化とつながっています。
ただ、どこからどこまでが瀬戸内海に含まれるのかは少しわかりにくい部分があります。
この海域の範囲は「海上交通安全法」「漁業法」「瀬戸内海環境保全特別措置法」「領海法」の4つの法律で決められています。
それぞれの法律は目的が異なるため、少しずつ違った区域が指定されているのです。

瀬戸内海の区域については、特に「領海法」が大きな役割を持っています。
この法律では瀬戸内海を10のエリアに分けています。
それぞれのエリアは、東から「紀伊水道」「大阪湾」「播磨灘(はりまなだ)」「備讃瀬戸(びさんせと)」「備後灘(びんごなだ)」「燧灘(ひうちなだ)」「安芸灘(あきなだ)」「広島湾」「伊予灘(いよなだ)」「周防灘(すおうなだ)」となっています。

瀬戸内海の範囲は具体的に決まっていない?

このように法律でエリアが決められている一方で、実際にははっきりとした線で分けられているわけではありません。
海上保安庁によると、瀬戸内海の各エリアは「おおよその範囲」として認識されており、「どこからどこまで」といった厳密な境界線が引かれているわけではないのです。
実際の海上では線を引くことが難しいため、地図などでエリアの名前が記されていますが、これはあくまでも目安とされています。

播磨灘の場所と特徴

瀬戸内海の中でも大きなエリアのひとつに「播磨灘」があります。
この播磨灘は、兵庫県の南西部に位置し、東側は淡路島、西側は小豆島、そして南は徳島県鳴門(なると)市まで広がっています。
その面積は約2500〜3000平方キロメートルで、瀬戸内海の中でも伊予灘、周防灘に次いで3番目の広さを誇ります。

播磨灘には、大小40ほどの島々から成る家島諸島(いえしましょとう)が含まれており、こちらはすべて兵庫県姫路市に属しています。
このエリアは自然が豊かで、地元の漁業が栄えており、観光客にとっても人気のスポットです。

播磨灘に面する地域と歴史的な背景

播磨灘に面する地域には、本州側に明石市、加古川市、高砂市、姫路市、たつの市、相生市、赤穂市があり、淡路島には淡路市、洲本市、南あわじ市があります。
四国側では小豆島町、東かがわ市、さぬき市、鳴門市が播磨灘に隣接しています。

「播磨灘」という名前は、明治時代以前に使用されていた国名の「播磨国」に由来しています。
この播磨国は、江戸時代には姫路藩、明石藩、赤穂藩などの地域が含まれていました。
地元では現在も「播磨」の名前が多く使われており、地域の歴史や文化を感じることができます。

なぜ瀬戸内海には「灘」と呼ばれるエリアが多いのか

瀬戸内海には「○○灘」という名前がついたエリアが多くありますが、これは航海上の注意が必要なエリアとして「海」ではなく「灘」と名付けられたものです。

しかし、「灘」という言葉には、船が通行する際に気をつけなければならない狭い海域という意味だけでなく、島が少なく広々とした海域という意味も含まれています。

船が瀬戸内海を通るときには、このような地形や気象の特徴を把握しておくことが大切です。

播磨灘もそのひとつで、瀬戸内海で「灘」という名前が多く使われているのは、淡路島を除いて大きな島が少なく、開けた海が広がっているからと考えられます。

播磨灘の観光と地域産業

播磨灘や家島諸島は、自然の豊かさと静かな風景が特徴で、多くの観光客に親しまれています。

瀬戸内海は波が穏やかで、風景が美しいため、観光船でのクルージングが楽しめる人気スポットです。
播磨灘では鯛やカレイといった魚がたくさん獲れるため、新鮮な魚介類を味わえる飲食店も多く、食の楽しみも大きな魅力となっています。

家島諸島

兵庫県姫路市の南西にある家島諸島は、播磨灘に浮かぶ大小44の島々からなる美しい群島で、姫路から約18kmの距離にあります。
この諸島には、家島、坊勢(ぼうぜ)島、男鹿(たんが)島、西島の4つの有人島があり、約6,000人が暮らしています。
瀬戸内海国立公園にも含まれ、この地は古くから瀬戸内海を行き交う船が風待ちや潮待ちをする場所として、多くの人々に親しまれてきました。

家島諸島の景観は、古代から和歌に詠まれるほどの美しさです。
その名の由来は、神武天皇(じんむてんのう)が東へ向かう途中、嵐から逃れてこの島に避難した際、「まるで我が家のように安らかだ」と感じたことから「家島」と呼ばれるようになったと伝えられています。

島内の移動は、船で次々と島を巡る「アイランドホッピング」が醍醐味です。
穏やかな瀬戸内の海を渡る船旅は、風情たっぷりで特別な体験です。
また、この諸島では新鮮な海の幸を味わうことも大きな楽しみです。
家島周辺の海域は、豊富な魚介類の宝庫で、タイやタコ、アジなどが年間を通じて水揚げされます。
特に、晩秋から冬にかけて旬を迎える家島産のワタリガニや坊勢島のサバは絶品と評判です。

観光の中心は、「家島」にある菅原道真(すがわらみちざね)ゆかりの家島神社や、「坊勢島」に位置する悲話で知られる弁天島です。
宿泊施設もこれらの島々に集中しており、旅館や民宿が旅人を迎えます。
また、特徴的な岩場の景観が魅力の「男鹿島」では海水浴や釣りを楽しめ、「西島」ではキャンプやアウトドア体験ができます。

姫路港から船で約30分で訪れることができます。

瀬戸内海の環境保護と未来

美しい景観と豊かな生態系を誇る瀬戸内海ですが、環境保護も重要な課題となっています。
地域の開発や産業活動の影響で、海の環境が変化しつつあるため、地元では環境に優しい観光や地域産業の発展が進められています。
また、「瀬戸内海環境保全特別措置法」などの法律や、さまざまな取り組みにより、海の環境を守るための努力が行われています。

瀬戸内海で観光を楽しむときは、地域の自然や生態系に配慮しながら、地元の歴史や文化に触れることも大切です。

まとめ

播磨灘は、瀬戸内海に位置する美しい海域で、その範囲は法律ごとに微妙に異なり、地図にははっきり示されない曖昧なエリアです。
紀伊水道から大阪湾、広島湾に至る瀬戸内海の一部として「灘」の名がつけられた理由や、播磨灘に面する地域の歴史と文化、自然の豊かさを背景に、観光や地元の産業も発展しています。
この記事を通じて、地図だけでは見えない播磨灘の広がりやその地域の魅力を、地理と文化の両面から理解することができます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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