生姜は薬味や炒め物、スープなど、幅広い料理に使える身近な食材です。
「体によさそうだから毎日食べている」という人もいるかもしれません。
一方で、
・生姜を食べ過ぎると下痢になる?
・1日10gまでって本当?
・おならが増えたのは生姜のせい?
・食べ過ぎると体臭まで変わる?
と気になることもありますよね。
生姜は、たくさん食べれば食べるほどよいというものではありません。特に多く摂った場合、人によっては腹部の不快感、胸焼け、下痢、口や喉の刺激などが起こる可能性があります。
ただし、「生の生姜は1日10gまで」といった、すべての人に共通する明確な上限が決められているわけではありません。
料理に使う通常の量まで必要以上に怖がるのではなく、食べた量と自分の体調を見ながら調整することが大切です。
この記事では、生姜を食べ過ぎたときに起こりうる症状や1日の量の考え方、毎日食べる場合の注意点についてわかりやすく整理します。
生姜を食べ過ぎるとどうなる?
生姜を口から摂ったときの副作用として、腹部の不快感や胸焼け、下痢、口や喉への刺激などが知られています。
厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトeJIMでも、特に大量に摂取した場合には、こうした症状が起こる可能性があるとされています。
もちろん、生姜を食べた人全員に症状が出るわけではありません。
体質や食べる量、その日の体調などによって感じ方は異なります。
下痢や腹部の不快感が起こることがある
生姜を多く食べたあとに、
・お腹がゴロゴロする
・便がゆるくなる
・腹部に違和感がある
と感じる人がいます。
生姜による副作用として下痢や腹部の不快感が報告されているため、食べたあとにこうした症状が出た場合は、いったん量を減らして様子を見るとよいでしょう。
「下痢になったから体の中がデトックスされている」と考えて食べ続ける必要はありません。
体調が悪くなるほど摂るのは避けましょう。
胸焼けや胃のむかつきを感じることもある
生姜を食べたあと、
「胃がムカムカする」
「胸のあたりが焼けるような感じがする」
という場合もあります。
胸焼けも、生姜を摂取した際に起こる可能性がある副作用のひとつです。
特に、もともと胃腸の調子が悪いときに無理をして大量に食べる必要はありません。
少量でも胸焼けや胃の不快感が出る場合は、自分にはその量が多い可能性があると考え、摂取を控えましょう。
口や喉がヒリヒリする場合もある
生の生姜には独特の辛みがあります。
そのため、多く口にすると口や喉が刺激され、ヒリヒリしたり違和感を覚えたりする場合があります。
このような刺激も、生姜を口から摂取した場合に起こりうる症状として挙げられています。
辛みを我慢して大量に食べる必要はありません。
おならやお腹の張りが気になる人もいる
「生姜を食べ始めてから、おならが増えた気がする」と感じる人もいるでしょう。
厚生労働省eJIMでは、人によっては生姜によってガスなどの軽い副作用が出る場合があると紹介されています。
ただし、おならやお腹の張りには、
・ほかに食べた食品
・食べる速さ
・便秘
・腸の状態
など、さまざまな要因が関係します。
「おならが増えた=必ず生姜が原因」とは判断できません。
生姜を多く食べた日だけ症状が出るようなら、まず量を減らして変化を見るとわかりやすいでしょう。
生姜の食べ過ぎで体臭が生姜臭になるって本当?
「生姜を食べ過ぎると、体から生姜のようなにおいがするようになるのでは?」と心配する人もいるかもしれません。
しかし、生姜の一般的な副作用をまとめた公的・専門的な情報では、「生姜を食べ過ぎると体臭が生姜臭になる」という症状は一般的な副作用として挙げられていません。
そのため、「生姜を食べ過ぎると体臭が生姜臭になる」と断定するのは適切ではありません。
体臭は、汗だけでなく、皮膚の細菌や食生活、衣類、体調などさまざまな影響を受けます。
生姜を食べたあとに体臭が気になったとしても、生姜だけを原因と決めつけないほうがよいでしょう。
生姜は1日何グラムまで?適量の考え方
生姜について調べると、
「1日10gが適量」
「生姜は1日10gまで」
といった情報を見かけることがあります。
しかし、厚生労働省eJIMや米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)の安全性情報では、生の生姜について「すべての人が1日10gまで」とする一律の上限は示されていません。
そのため、10gという数字を絶対的な上限として考える必要はありません。
「生姜1かけ=約10g」と「1日10gまで」は別の話
特に間違えやすいのが、「生姜1かけ」の重さとの混同です。
料理では、生姜1かけを10〜15g程度として扱うことがあります。
しかし、これはレシピで材料を量るための目安です。
「1かけが10gだから、健康上も1日10gが上限」という意味ではありません。
生姜1かけの重さやチューブしょうがへの換算については、「生姜1かけは何g?チューブなら何cm?メーカー別の目安と代用量を解説」で詳しくまとめています。
何グラムより「体調」を目安にする
通常の料理で少量使う生姜まで、毎回グラム単位で神経質に計量する必要はありません。
大切なのは、
・一度に極端な量を食べない
・健康効果を期待して量を増やし続けない
・食べたあとに不調が出ないか確認する
・不調が出る量を繰り返し食べない
という点です。
「体によいと聞いたから」という理由で、紅茶やスープなどに大量の生姜を入れ続ける必要はありません。
生姜を毎日食べても大丈夫?
料理の薬味や香味野菜として少量の生姜を使っていて、特に体調に問題がなければ、「毎日食べている」というだけで必要以上に心配する必要はないでしょう。
一方で、健康効果を期待して大量に摂り続けることは別です。
生姜の健康作用を調べた研究の多くは、普段の食事そのものではなく、一定量を調整したサプリメントなどを対象にしています。
そのため、研究結果をそのまま、
「毎日○g食べれば健康になる」
「量を増やすほど効果が高くなる」
と考えることはできません。
毎日続ける場合も、普段の料理に無理のない範囲で取り入れる程度に考えるとよいでしょう。
生姜サプリや大量摂取に注意したい人
普段の料理に少量使う生姜と、健康目的で使用する生姜サプリメントは分けて考える必要があります。
サプリメントでは、食事よりも多くの成分を継続して摂取する場合があるためです。
薬を服用している人
NCCIHでは、何らかの薬を服用している場合、生姜を含むハーブ製品を使う前に医療者へ相談するよう案内しています。
ハーブと薬の組み合わせによっては、相互作用が起こる可能性があるためです。
特に治療中の人は、
「食品だから大丈夫」
「自然由来だから薬とは関係ない」
と自己判断しないようにしましょう。
血液を固まりにくくする薬を使用している人や手術予定がある人
生姜については、特に高用量やサプリメントで血液凝固への影響が指摘されています。
抗凝固薬など血液を固まりにくくする薬を使用している場合や、手術を予定している場合は、生姜サプリメントを自己判断で始めたり大量に使用したりせず、医師や薬剤師へ確認してください。
これは、普段の食事に少量入っている生姜を一律に禁止するという意味ではありません。
治療中の人が健康目的で高用量を摂取する場合の注意点として考えましょう。
妊娠中・授乳中に生姜サプリを使う場合
NCCIHでは、妊娠中の生姜サプリメントについて安全である可能性が示されている一方、使用を考えている場合は医療者へ相談するよう案内しています。
また、授乳中については、安全性に関する情報が十分ではありません。
妊娠中のつわりなどを理由に生姜サプリメントを使いたい場合は、自己判断で量を増やさず、かかりつけの医療機関へ相談しましょう。
生姜を食べ過ぎてお腹の調子が悪くなったらどうする?
生姜を多く食べたあとに、下痢や胸焼け、腹部の不快感などが出た場合は、まず追加で生姜を摂るのを控えます。
「何かを飲めば生姜の成分を中和できる」
「牛乳で胃をコーティングすれば治る」
といった自己流の方法に頼る必要はありません。
軽い症状であれば無理をせず休み、水分をとりながら様子を見ましょう。
ただし、
・症状が強い
・なかなか治まらない
・何度も繰り返す
・生姜を少量食べただけでも強い症状が出る
といった場合は、生姜の食べ過ぎだけと決めつけず、医療機関に相談してください。
生姜を無理なく料理に取り入れるコツ
生姜は「健康のために毎日○g食べなければならない食材」ではありません。
まずは料理をおいしくする香味野菜として、無理なく取り入れるのがおすすめです。
レシピの分量をひとつの目安にする
炒め物や煮物、スープなどを作る場合は、まずレシピに書かれている量を基準にしましょう。
生姜の香りや辛みが好きでも、最初から大量に加えるより、少しずつ足して味を調整するほうが失敗しにくくなります。
「1かけ」の大きさがわからなければ重さを確認する
料理中に迷いやすいのが、「生姜1かけって何グラム?」という表現です。
生姜1かけは厳密に決められた単位ではなく、目安には幅があります。
チューブしょうがへの換算も商品によって異なるため、「1かけ=チューブ○cm」と一律に覚えないほうが安心です。
生姜1かけの重さやチューブへの換算を詳しく知りたい場合は、関連記事も参考にしてください。
余った生姜は保存して次の料理に使う
「余らせたくないから、残った生姜を全部料理に入れてしまおう」とする必要はありません。
使い切れなかった生姜は、冷凍保存する方法もあります。
保存方法については、「生姜は丸ごと冷凍が正解|ふにゃふにゃ・まずい原因を解決!1ヶ月鮮度キープの保存術」で詳しく紹介しています。
一度にたくさん食べるのではなく、必要な分だけ使いながら保存したほうが、生姜を無理なく活用できます。
生姜の食べ過ぎに関するよくある疑問
生姜を10g食べたら食べ過ぎですか?
10gという数字だけで「食べ過ぎ」と判断することはできません。
料理では、生姜1かけを10g前後として扱う場合がありますが、これは健康上の上限とは別です。
公的・専門的な安全性情報でも、生の生姜について「すべての人が1日10gまで」とする一律の上限は示されていません。
食べたあとに胸焼けや下痢などが出る場合は量を減らしましょう。
生姜を食べるとおならが増えることはありますか?
人によっては、ガスなどの軽い副作用が出る場合があります。
ただし、おならにはほかの食品や便秘などさまざまな原因があります。
生姜を食べた日だけ症状が強くなる場合は、量を減らして様子を見てください。
生姜の食べ過ぎで体臭が生姜臭になりますか?
一般的な副作用として、「体臭が生姜臭になる」とは確認されていません。
体臭には食生活や汗、皮膚の状態などさまざまな要因が関係するため、生姜だけを原因と決めつけないほうがよいでしょう。
チューブ生姜ならたくさん食べても大丈夫ですか?
チューブだから食べ過ぎてもよいということではありません。
また、チューブしょうがは商品ごとに原材料や配合が異なります。
使用する商品の表示を確認し、料理に必要な分だけ使いましょう。
生姜サプリと料理の生姜は同じように考えてよいですか?
同じようには考えないほうがよいでしょう。
健康目的の研究では、生姜をサプリメントとして使用しているものが多く、普段の食事とは摂取方法や量が異なります。
薬を服用している人、妊娠中・授乳中の人、手術を予定している人などが生姜サプリメントを利用したい場合は、医師や薬剤師などへ確認してください。
まとめ|生姜は「たくさん食べるほどよい」わけではない
生姜は、普段の料理に使いやすい身近な食材です。
一方で、特に大量に摂った場合には、
・腹部の不快感
・胸焼け
・下痢
・口や喉の刺激
・ガス
などが起こることがあります。
また、「1日10gまで」という数字を、すべての人に共通する絶対的な上限として考える必要はありません。
料理に使う「生姜1かけ」の重さの目安と、健康上の摂取上限は別の話です。
大切なのは、健康効果を期待して無理に量を増やさず、自分の体調を見ながら料理に必要な範囲で楽しむことです。
特に生姜サプリメントを利用する場合や、薬を服用している場合、妊娠中・授乳中、手術前などは自己判断で大量に摂らず、必要に応じて医師や薬剤師へ相談しましょう。
参考情報
・厚生労働省「統合医療」情報発信サイト eJIM「ショウガ」
・米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「Ginger: Usefulness and Safety」
・Memorial Sloan Kettering Cancer Center「Ginger」