「きたあかりで肉じゃがを作ったら、じゃがいもが全部崩れてしまった」
「カレーに入れたいけれど、煮込んでも形を残す方法はある?」
きたあかりは、ホクホクした食感と甘みが魅力のじゃがいもですが、煮崩れしやすい品種でもあります。
結論からいうと、きたあかりの煮崩れをできるだけ防ぐには、
- 大きめに切る
- 沸騰後はグラグラ煮立てない
- 箸やお玉で何度もかき混ぜない
- 火が通ったらそれ以上煮込まない
- カレーやシチューでは途中から加える
といった工夫が効果的です。
ただし、きたあかりの特徴そのものを完全に変えることはできません。
「絶対に形を崩したくない」という料理なら、メークインなど煮崩れしにくい品種を選ぶ方法もあります。
この記事では、きたあかりが煮崩れしやすい理由から、肉じゃが・カレー・シチューで形を残すコツ、逆にきたあかりの特徴を生かせる料理までわかりやすく解説します。
きたあかりは煮崩れしやすいじゃがいも
きたあかりは、加熱するとホクホクした食感になる「粉質系」のじゃがいもです。
北海道のじゃがいもを紹介するホクレンの資料でも、キタアカリは「火が通りやすく煮崩れもしやすい」品種として紹介されています。
農畜産業振興機構でも、キタアカリは男爵薯と同じホクホクした粉質系に分類され、ポテトサラダやコロッケなどに向く品種とされています。
つまり、煮崩れしやすいのは失敗ではなく、きたあかりが持つ特徴のひとつです。
ホクホク感を楽しめる一方で、長時間の煮込み料理では形を保ちにくいと覚えておくと料理を選びやすくなります。
じゃがいもを「煮る」「茹でる」の違いが曖昧な場合は、「煮る・炊く・茹でる」の違いとは?料理の基本をわかりやすく解説も参考にしてください。加熱方法の違いがわかると、じゃがいもの仕上がりもイメージしやすくなります。
きたあかりが煮崩れする理由
じゃがいもには、加熱してホクホクしやすい粉質系と、比較的形を保ちやすい粘質系があります。
きたあかりは粉質系です。
加熱するとやわらかくなりやすく、ホクホクとした食感になる反面、煮汁の中で長時間加熱したり、何度も動かしたりすると崩れやすくなります。
特に、
- 小さく切る
- 強く煮立て続ける
- 長時間煮込む
- 箸やお玉で何度も混ぜる
と、角から崩れたり、じゃがいも全体が煮汁に溶けたりしやすくなります。
そのため、きたあかりを煮物に使うときは、できるだけ「短く・やさしく加熱する」ことがポイントです。
きたあかりの煮崩れを防ぐ5つのコツ
きたあかりを肉じゃがや煮物に使うときは、次の5つを意識すると形を残しやすくなります。
1.じゃがいもを大きめに切る
小さく切るほど表面積が増え、加熱中に崩れやすくなります。
肉じゃがなら、1個を4等分程度にするなど、普段より少し大きめに切るとよいでしょう。
ただし、大きすぎると中心まで火が通るのに時間がかかります。
同じくらいの大きさにそろえて切ることも大切です。
2.角を軽く面取りする
煮物では、角から崩れ始めることがあります。
角を薄く削る「面取り」をしておくと、鍋の中でほかの具材や鍋肌に当たったときに角が欠けるのを抑えやすくなります。
ただし、面取りをすれば絶対に煮崩れしないわけではありません。
きたあかりの場合は、面取りよりも「煮すぎない」「混ぜすぎない」ことのほうが重要です。
3.沸騰したら火を弱める
煮汁を激しくグラグラ沸騰させ続けると、じゃがいも同士がぶつかりやすくなります。
煮立ったら火を弱め、静かに煮る程度に調整しましょう。
強火で短時間に仕上げようとするより、じゃがいもが鍋の中で激しく動かない火加減を意識します。
4.箸やお玉で何度も混ぜない
きたあかりがやわらかくなってから何度も混ぜると、簡単に角が崩れてしまいます。
煮汁を全体になじませたい場合も、箸で一つずつ動かすのではなく、鍋を軽く揺する程度にすると形を保ちやすくなります。
どうしても混ぜる必要がある場合は、大きめの木べらなどを使ってやさしく動かしましょう。
5.竹串が通ったら煮込みすぎない
きたあかりは火が通りやすいため、やわらかくなってからさらに煮込み続けると崩れやすくなります。
竹串を刺してスッと通るくらいになったら、加熱しすぎないことが大切です。
「味を染み込ませたいから」と長時間煮続けるより、火を止めて少し置き、味をなじませる方法もあります。
きたあかりは水にさらしたほうが煮崩れしにくい?
じゃがいもを切ったあと、水にさらす下ごしらえはよく行われます。
水にさらすことで表面のでんぷんを洗い流したり、切った後の変色を防いだりできます。
ただし、水にさらせばキタアカリの煮崩れを確実に防げる、というわけではありません。
煮崩れを防ぐ目的では、
- 大きめに切る
- 煮すぎない
- 強く沸騰させない
- 混ぜすぎない
ことを優先するとよいでしょう。
水にさらした場合は、調理前に水気を切ってから使います。
下茹ですれば煮崩れを防げる?
「先に下茹ですれば表面が固まり、煮崩れしなくなる」と紹介されることがあります。
しかし、きたあかりはもともと火が通りやすい品種です。
長く下茹でしてからさらに煮込むと、合計の加熱時間が長くなり、むしろやわらかくなりすぎることがあります。
そのため、煮崩れ防止だけを目的に長時間下茹でする必要はありません。
別ゆでや電子レンジで加熱してから料理に加える場合は、完全にやわらかくせず、少しかための段階で止めておくのがポイントです。
その後、煮汁の中では短時間だけ加熱します。
皮付きなら煮崩れしにくい?
じゃがいもを丸ごとゆでる場合は、皮付きで加熱する方法があります。
ただし、肉じゃがやカレー用に切ったきたあかりでは、皮を残しただけで煮崩れを完全に防げるわけではありません。
また、じゃがいもの芽や緑色になった皮には天然毒素のソラニンやチャコニンが多く含まれるため注意が必要です。
芽がある場合は根元まで取り除き、緑色の部分がある場合は周囲を含めてしっかり取り除きます。
「皮付きなら煮崩れしないから」と、緑色になった皮までそのまま食べるのは避けてください。
肉じゃができたあかりを煮崩れさせない方法
きたあかりで肉じゃがを作るなら、じゃがいもを煮込みすぎないことが最大のポイントです。
大きめに切る
じゃがいもは少し大きめに切ります。
小さく切ると短時間でやわらかくなりますが、その分崩れやすくなります。
煮立ったら弱めの火にする
煮汁が沸いたら、激しくグラグラ煮続けないようにします。
落とし蓋を使う場合も、じゃがいもが鍋の中で激しく動かない程度の火加減にしましょう。
途中で何度も混ぜない
調味料を全体になじませようとして頻繁に混ぜると、やわらかくなったじゃがいもが崩れます。
鍋を軽く動かす程度にします。
火が通ったら早めに止める
きたあかりは火が通るのが比較的早いため、竹串で確認しながら加熱します。
ちょうどよいやわらかさになったら火を止めましょう。
肉じゃがなどの煮物をよく作るなら、繰り返し使えるシリコーン製の落としぶたがあると便利です。食材にやさしくフィットするタイプなら、クッキングシートを毎回切る手間も減らせます。
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カレーできたあかりを崩さないコツ
カレーは煮込み時間が長くなりやすいため、きたあかりが特に崩れやすい料理です。
最初からほかの具材と一緒に入れて長時間煮込むと、ルーを入れるころにはじゃがいもが溶けていることがあります。
そこでおすすめなのが、きたあかりを途中から加える方法です。
肉や玉ねぎ、にんじんなどをある程度煮てから、大きめに切ったきたあかりを加えます。
じゃがいもに火が通ったら、その後は必要以上に煮込みません。
電子レンジで別に加熱する方法もある
きたあかりは電子レンジ調理とも相性がよい品種です。
カレーの煮込み時間が長くなりそうな場合は、じゃがいもだけ電子レンジで別に加熱し、仕上げに加える方法もあります。
ただし、電子レンジで完全にやわらかくしてから強く混ぜると崩れてしまいます。
少しかために加熱し、カレーに加えた後はそっと混ぜるのがポイントです。
シチューやポトフに使うときも「後入れ」が便利
シチューやポトフも長時間煮込みやすい料理です。
きたあかりを使うなら、ほかの具材より少し遅れて加えると煮崩れを抑えやすくなります。
特にポトフのように「大きなじゃがいもの形をきれいに残したい」料理では、きたあかりより煮崩れしにくい品種を選ぶほうが簡単です。
どうしてもきたあかりを使いたい場合は、
- 大きめに切る
- 後から加える
- 静かに煮る
- 火が通ったら加熱を止める
ことを意識してください。
絶対に煮崩れさせたくないなら品種を変えるのも方法
きたあかりのホクホクした食感が好きでも、料理によっては煮崩れが困ることがあります。
その場合は、無理にきたあかりを使う必要はありません。
メークイン
メークインは、きたあかりより煮崩れしにくいじゃがいもです。
カレー、シチュー、肉じゃがなど、長く煮込んでも形を残したい料理に向いています。
きたかむい
きたかむいも、比較的煮崩れしにくい品種です。
「北海道のじゃがいもを使いたいけれど、煮崩れは避けたい」という場合の選択肢になります。
料理によって品種を使い分けると、煮崩れ防止のために細かい工夫を重ねる必要も少なくなります。
きたあかりに向いている料理は?
きたあかりの魅力は、煮崩れしないことではなく、加熱したときのホクホクした食感です。
その特徴を生かすなら、次のような料理に向いています。
ポテトサラダ
きたあかりはやわらかくなりやすいため、つぶして使うポテトサラダと相性がよいじゃがいもです。
ホクホクした食感を生かせます。
コロッケ
コロッケも形を残す必要がないため、きたあかりの特徴を生かしやすい料理です。
ゆでたり蒸したりしたあとにつぶして使います。
マッシュポテト
なめらかにつぶす料理なら、煮崩れを気にする必要がありません。
きたあかりのやわらかさをメリットとして使えます。
きたあかりのホクホク感を生かすなら、ポテトサラダやマッシュポテトにもぴったり。じゃがいも料理をよく作るなら、力を入れやすいマッシャーがあると、つぶす作業もラクになります。
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粉ふきいも
ホクホクした粉質系の特徴をそのまま楽しみたいなら、粉ふきいもも向いています。
煮物で「崩れてしまう」と悩むより、崩れやすさを気にしなくてよい料理に使うのもおすすめです。
きたあかりとメークインの違い
煮物用のじゃがいも選びで迷いやすい、きたあかりとメークインを比較すると次のようになります。
| 比較 | きたあかり | メークイン |
|---|---|---|
| 食感 | ホクホク | しっとり・なめらか |
| タイプ | 粉質系 | 粘質系 |
| 煮崩れ | しやすい | しにくい |
| 向く料理 | コロッケ・ポテトサラダ・粉ふきいも | カレー・シチュー・煮込み料理 |
| 肉じゃが | ホクホク感重視なら○ | 形を残したいなら○ |
「どちらのほうがおいしい」という違いではありません。
料理の仕上がりに合わせて選ぶのがおすすめです。
肉じゃがでも、少し崩れたホクホクしたじゃがいもが好きならきたあかり、最後まで形を残したいならメークインという選び方ができます。
きたあかりは電子レンジ調理にも向いている
きたあかりは火が通りやすいため、電子レンジを使って加熱する方法も便利です。
特に、
- ポテトサラダ
- マッシュポテト
- コロッケ
- じゃがバター
など、煮汁の中で形を保つ必要がない料理に向いています。
電子レンジなら、鍋の中でじゃがいも同士がぶつかることもありません。
「煮物にすると毎回崩れる」という場合は、きたあかりの特徴に合った調理法へ変えてみるのもよいでしょう。
きたあかりの保存方法
じゃがいもは、暗くて涼しく、風通しのよい場所で保存するのが基本です。
食品の表示などでよく見る「高温多湿を避けて常温で保存」が具体的にどんな場所なのか迷う場合は、高温多湿を避けて常温で保存とは?何度・どこに置くかを解説で詳しく紹介しています。
光が当たると皮が緑色になりやすいため、紙袋や段ボールなどを利用して光を避けます。
長期間保存しすぎず、必要な量を購入して使い切ることも大切です。
また、
- 芽が出ている
- 皮が緑色になっている
じゃがいもには注意してください。
芽は根元までしっかり取り除き、緑色の部分は周囲を含めて深くむきます。
加熱すれば天然毒素が必ずなくなるわけではないため、調理前に取り除くことが重要です。
きたあかりの煮崩れについてよくある疑問
きたあかりは肉じゃがに向かない?
使えないわけではありません。
ホクホクした肉じゃがが好きなら、きたあかりもおいしく仕上がります。
ただし、煮崩れしやすいため、大きめに切り、煮すぎたり混ぜすぎたりしないことが大切です。
きたあかりをカレーに入れてもいい?
入れても問題ありません。
ただし、長時間煮込むと崩れやすいため、途中から加えるか、別に加熱して仕上げに加える方法が向いています。
きたあかりは下茹でしたほうがいい?
必須ではありません。
下茹でしてからさらに長時間煮込むと、加熱しすぎて崩れやすくなる場合があります。
別に加熱する場合は少しかために仕上げ、煮汁の中での加熱時間を短くしましょう。
皮付きなら崩れない?
皮付きにしただけで、きたあかりの煮崩れを完全に防げるわけではありません。
特に切って煮込む料理では、火加減や加熱時間、混ぜ方のほうが重要です。
また、芽や緑色の皮がある場合は取り除いてください。
煮崩れしないじゃがいもはどれ?
形を残すことを優先するなら、メークインなどの粘質系が使いやすいでしょう。
カレーやシチュー、ポトフなど長く煮込む料理では特に向いています。
まとめ|きたあかりは「煮崩れさせない」より加熱しすぎないのがコツ
きたあかりは、ホクホクした食感がおいしい一方、煮崩れしやすいじゃがいもです。
煮物に使うときは、
- 大きめに切る
- 必要なら面取りする
- グラグラ沸騰させ続けない
- 何度もかき混ぜない
- 火が通ったら煮込みすぎない
- カレーやシチューでは途中から加える
ことを意識しましょう。
「下茹ですれば絶対に崩れない」「皮付きなら大丈夫」といった万能な裏技があるわけではありません。
きたあかりの特徴そのものが、ホクホクして崩れやすい粉質系だからです。
形をきれいに残すことを最優先するならメークインなどを選び、ホクホク感を楽しみたいならきたあかりを選ぶ、と料理に合わせて使い分けるのが一番簡単です。
きたあかりは、ポテトサラダやコロッケ、マッシュポテトなどにもよく合います。
「煮崩れしやすいから使いにくい」と考えるのではなく、その特徴を生かせる料理も楽しんでみてください。